Vol.1 アジアで躍進するCC-Link/CC-Link IE

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Special Report

FPD International China 2012/Beijing Summitレビュー
Overview

FPDの国際イベントでCC-Link/CC-Link IEが話題に
最新工場を支える技術や導入事例が登場

2012年9月18日~19日の2日間にわたって、中国北京市にある国家会議センターでフラットパネル・ディスプレイ(FPD)をテーマにしたイベントFPD International CHINA 2012/Beijing Summitが開催された。このイベントのプログラムの一つとして開かれた技術講演「工場のインテリジェント化」には、CC-Link/CC-Link IEの普及を推進するCC-Link協会や三菱電機をはじめ、実際にCC-Linkを採用している日本の製造装置メーカーや中国の大手FPDパネル・メーカーが登場した。

FPD International China 2012/Beijing Summitは、FPD産業にかかわる企業や研究機関の国際交流を目的に、2010年から開催されているイベントである。主催しているのは、中国でFPD産業振興に取り組む業界団体「中国光学光電子行業協会液晶分会」と日経BP社。2012年は第3回目の開催となる。中国国内で開かれる数少ないFPD関連のイベントの一つであることや、FPD業界のキーパーソンが国内外から数多く参加することから、例年数多くの来場者を集めており、その数は回数を重ねる度に増えている。
このイベントは講演会と展示会で構成されており、会場となった国家会議センターの会議室を使って開かれた講演会には、FPD業界で活躍する企業やFPD産業にかかわる中国政府のキーパーソンが多数登壇し、それぞれが業界の動向やFPDに関する最新技術について言及した。講演会の会場に隣接するアトリウムを使って開かれた展示会には、FPD製造装置や関連部材のベンダー、FPD工場に欠かせないFA関連機器を扱う企業などが展示ブースに並んだ。

最新技術をテーマにした講演が続々
FPD International China 2012/Beijing Summitの基調講演の風景

基調講演となった初日の講演会には、中国の政府や業界団体、および世界を代表するパネル・メーカーや装置・部材メーカーの幹部などが次々と登場した。技術講演が行われたのは講演会の2日目である。二つの会場を使って、三つのトラックから成るプログラムが繰り広げられた。その一つが、「工場にインテリジェント化」である。話題の中心はFPD工場を支える自動化技術だ。このほかのトラックは、フラットパネル・ディスプレイを製造するためのプロセス技術をテーマにした「パネル製造」、モバイル機器向け技術としていま注目を集めているFPDの最新技術をテーマにした「タッチパネル/有機EL」である。
今回のFPD International China 2012/Beijing Summitの技術講演で工場の自動化技術が取り上げられた背景には、FPD産業の発展を図るうえで自動化の技術が重要な役割を担っていることがある。近年、液晶ディスプレイ・パネルをはじめとするFPDの生産設備は、大型化の一途を辿っている。生産効率を追求するために素材の一つであるガラス基板の大型化を進めたからだ。その一方で、FPDの機能や性能を追求するために、製造プロセスは複雑化している。こうした「大型化」と「複雑化」に対応しながら高い生産性を維持するために自動化技術の進展が欠かせない。

今回、このトラックに登場したのは、産業自動化関連の研究機関である機械工業儀器儀表総合技術研究所(ITEI:Instrumentation Technology and Economy Institute)、三菱電機、CC-Link協会、中国の大手FPDメーカーBeijing BOE Display Technology(北京京東方顕示技術)、大手FPD装置メーカーキヤノントッキ、中国の大手エンジニアリング会社S.Y. Technology, Engineering and Construction(世源科技工程)である(三菱電機、CC-Link協会、Beijing BOE Display Technology、キヤノントッキの講演概要は、この記事の後に掲載しています)。この中で、三菱電機はCC-Link/CC-Link IEを基に実現した工場の効率化に向けたソリューションを解説。CC-Link協会は、最近の活動やCC-Link/CC-Link IEの技術がFPD業界にもたらす利点などを説明した。さらに、Beijing BOE Display Technologyとキヤノントッキは、実際にCC-Linkを導入した事例を紹介しながら、その利点を解説した。

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