Vol.1 アジアで躍進するCC-Link/CC-Link IE

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Special Report

FPD International Taiwan 2012レビュー
Overview

台湾で開催されたFPDの技術セミナーに参加
CC-Link協会が「生産技術革新」をテーマに講演

フラットパネル・ディスプレイをテーマにした技術セミナー「FPD International Taiwan 2012」が、2012年8月30日に台北市内の台北世界貿易中心南港展覧館で開催された。Taiwan Display Union Association(TDUA:台湾顕示器産業連合総会)と日経BP社が共催する同セミナーに、産業用オープンネットワーク「CC-Link」の普及推進団体CC-Link協会が参加。「生産技術革新」をテーマにした講演を行った。

今回が初めての開催となるFPD International Taiwan 2012は、台湾のFPD産業の海外進出を促すための足掛かりとなるイベントを企画していたTDUAに、1990年代からFPDの専門展示会を日本で開催していた日経BP社が協力する形で実現したものだ。FPD International Taiwan 2012のプログラムの午前中は基調講演。午後は二つの会場を使って2トラックの技術講演が行われた。2トラックの技術講演のうち一つは「タッチ・パネル」に関連する講演。もう一つのトラックの前半は「液晶/有機EL」に関する講演、休憩を挟んだこのトラックの後半は「生産技術革新」に関する講演が行われた。
基調講演には、TDUA理事長を務める彭双浪氏、中国光学光電子行業協会液晶分会秘書長の梁新清氏、ジャパンディスプレイ チーフビジネスオフィサーの有賀修二氏、中国TCL社 総裁の薄連明氏、台湾AU Optronics VP & GM of Touch Solutions Business Groupの謝世枋氏、台湾 Chimei Innolux 協理の楊柱祥氏、Corning Display Technologies Taiwan Chairman & PresidentのAlan T. Eusden氏など業界のキーパーソンが続々と登壇した。
午後に開催された技術講演のうち「タッチ・パネル」のトラックに登壇したのは、タッチ・パネル研究所、表面処理技術を手掛けるDow Corning社、装置メーカーのFUK、自動化技術のTaiwan Siemens社、成膜装置メーカーのApplied Materials社、テック・アンド・ビズである。技術講演のもう一つのトラックの前半の「液晶/有機EL」の講演には、ソニー、パナソニック液晶ディスプレイ、AU Optronics(AUO)社、First O-Lite社が登場した。
産業用オープンネットワーク「CC-Link」の普及推進団体CC-Link協会の中村直美氏と楠和浩氏が登壇したのは、このトラック後半の「生産技術革新」のプログラムの中で行われた講演である。ここではほかに、工場の自動化システムの開発などを手掛ける台湾Unicom System Eng. 総経理の鄭滄光氏なども講演を行った。
CC-Link協会の事務局長を務める中村氏は、CC-Link協会の活動を紹介したうえで、アジア地域においてCC-Linkが高いシェアを誇っていることをアピールした。この中で、韓国や台湾の大手液晶ディスプレイ・メーカーや韓国の有機ELディスプレイ・メーカー大手がこぞって生産ラインにCC-Link/CC-Link IEを導入しており、FPD業界においても高い支持を受けていることを強調した。続いて登壇したCC-Link協会テクニカル部会部会長の楠和浩氏は、CC-Link/CC-Link IEの技術の重要なポイントを解説した。その中で同氏は、FPD製造システムに求められる要件を整理したうえで、その要件を満たす製造システムを実現するために、CC-Link/CC-Link IEの技術が役立つことを訴えた。
この後に登壇した台湾Unicom System Eng.の鄭滄光氏は、台湾におけるFPD産業発展の経緯を簡単に振り返ったうえで、FPD製造ラインにおける自動化のトレンドを説明した。さらに同氏は、自動化のトレンドが進むなかで実際にCC-Linkの規格に準拠した産業用ネットワークが、どのように使われているかを具体的な例を挙げて解説した。

中村 直美氏CC-Link協会
事務局長

楠 和浩氏CC-Link協会
テクニカル部会 部会長

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