Vol.8 News

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「CC-Link IEフィールドネットワークBasic」発表

CC-Link IE対応機器拡大へ
新しい仕様をリリース
ソフトウェア実装だけでサイクリック通信を可能に

ユーザのIoT(Internet of Things)活用を支援する新しい仕様がCC-Link IEに誕生する。CC-Link協会(CLPA)はCC-Link IEの新しいラインナップとして、通信に100Mbpsの汎用Ethernetを使うオープンフィールドネットワーク「CC-Link IEフィールドネットワークBasic」を追加することを発表した。Ethernet機器にソフトウェアを実装するだけでCC-Link IEによる機器制御や見える化が可能になるものだ。

IoTによる生産現場の見える化を進めるためには、できる限り多くの機器や装置をネットワークにつなぐことが求められる。しかし現実には、比較的新しいものはともかく古い機器や装置では、ネットワーク化がそもそも想定されていないものが多く、IoTによるネットワーク化と見える化が限定的なものになることも少なくない。
CC-Link IEフィールドネットワークBasicは、そうした機器や装置でもCC-Link IE対応を可能にする新しい選択肢として提供されるものだ。その大きな特長は、CC-Link IEへの対応をソフトウェアの実装という簡単な手法で可能にすること。ネットワーク化のために古い機器や装置に対して大きな追加投資を行うことは非現実的だが、ソフトウェア実装という簡単で低コストの手法ならば、汎用のEthernetインタフェースを持つ機器にはすぐに適用でき、ネットワーク化は一気に実現しやすくなる。簡単な手法ながら、上位のITシステムとの連携などCC-Link IEの機能はもちろん継承される。既にネットワーク化済みの機器や装置を含めて生産現場全体をCC-Link IEで統合し、IoT活用を進めやすい環境が整うのである。
機器を使うユーザだけでなく、機器を開発するベンダにもその効果は大きい。自社の機器をCC-Link IE以外のプロトコルにも対応させようとすれば、それぞれに合わせたハードウェア設計が必要になり、製品の管理などが複雑化する。しかしソフトウェアを変えるだけでCC-Link IEが可能になれば、ハード自体はどのプロトコル対応版でも共通化することができ、低コスト化も期待できるというわけだ。
CC-Link IEフィールドネットワークBasicの通信速度は100Mbps。1GbpsのCC-Link IEほどの高速性はないが、稼働情報の収集など見える化に必要な機能に限定すれば十分な帯域と言える。
既にCLPAでは、対応機器を開発する会員向けにサンプルコードの無償提供を行っており、早ければ今秋にも具体的な製品が登場することが期待される。

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